空洞化の原因としてはいろいろ挙げられていますが、一つは言葉の問題があります。金融取引の基本は英語ですが、日本は英語が通じにくいのに比べ、香港、シンガポールの金融市場では英語がかなり浸透しています。次は規制の問題。例えば金利先渡し契約(FRA)と呼ばれる取引は八〇年代半ばから欧米で盛んになりましたが、日本では長い間、とばく行為に当たるとの理由で禁止され、九四年にようやく解禁されたばかりです。規制がなくても大蔵省や日銀に提出する報告書がきわめて多く、報告書作成のコストも少なくないとの声が出ています。しかも最近は、日本では大口投資家の取引など顧客情報が漏れやすいという有り難くない噂まで出ています。日本では大口取引について当局への報告義務が銀行にあり、当局からその情報が漏れているのではないかと疑う声が外国銀行の中にあります。このほか東京市場では有価証券取引税、印紙税など欧米市場にないような課税制度があります。東京市場を活性化させるには、市場間の競争を意識した税や規制の体系の見直しが不可欠になっています。