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当人と家族らが負うべしという人間観

明治7年12月8日、「恤救規則」が出されました。昭和7年の「救護法」施行まで半世紀以上貧窮者の救済に関する唯一の法律でした。「前文」にいわく、「済貧恤救ハ人民ノ情誼二因テ其ノ方法ヲ設クへキ筈ニ候」。「人民」相互の努力が効かない(家族も親族もいない、地縁も無力)場合に限り、政府が腰をあげると言うのです。それは「人民」を赤子とみなす天皇の寛仁・慈愛によるもので、「実二天日ノ覆フ所雨露ノ潤ス所至ラザルナク万々有難キ御沙汰」と受け取るべきものとされていました。どれくらい有難いか。平均年齢が43歳の時代に70歳以上の重病老人で家族(近親者よりもずっと広い概念です)のまったくいない者が対象。こういうやり方は、社会福祉ではありません。第1に援助はお上のお恵みと考えるのが間違い。第2に、根底にある人間観が間違い。困窮の責任はその人の不始末、落度、あるいは因縁による不運、よってその責任は当人と家族らが負うべしという人間観です。

世界の各地で台頭してきた地域主義

世界の各地で台頭してきた地域主義を、保護主義に向かわせないためには、新しい世界の共通貿易ルールを早くつくることが重要です。戦後の世界貿易システムは、ガット(GATT・GeneralAgreementonTariffsandTrade関税貿易一般協定)を中心に運営されてきました。ガットは、関税や輸入規制など貿易の拡大を妨げている障壁を取り除いて、自由貿易休制を守っていくねらいで、第2次大戦後間もない1948年に発足しました。本部はスイスのジュネーブにあり、日本を含む約100力国が加盟しています。世界には農業が得意な国もあれば、工業製品をつくるのが上手な国もあります。工業国のなかでも、産業構造はそれぞれ異なります。

世界中に広がる「魚食」ブーム

世界の経済活動によって食糧危機がもたらされたことはすでに述べたとおりだが、世界の漁業もまた、複雑に絡み合う経済の動きにより危機的状況を迎えている。科学雑誌『サイエンス』の2006年11月号に、じつに衝撃的な論文が掲載された。「近年、世界の水産資源は著しく減少しており、2048年には海から魚がいなくなる」というのだ。この水産資源の減少について、乱獲が原因ではないかと考える向きがある。たしかに21世紀を迎えるまで、世界の漁獲量は右肩上がりの上昇をつづけてきた。いまから約50年前の1950年には約2000万トンだった世界の漁獲・養殖生産量が、2006年になると1億6000万トンにまで激増した。漁獲量が増加した原因のひとつとして、世界の魚の消費量が軒並み増加していることがある。最近、日本では若者をはじめとして魚離れの傾向にあるが、世界は逆に魚食ブームを迎えているのである。


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