C君の母親にもカウンセリングルームへの来談をお願いして一緒に相談をした。C君の訴えを聞いた母親が「そんな話は信じられない」というと、C君は「信じてくれないと話にならないよ!だって実際そうなんだもの!」と、今まで聞いたことのないような荒い口調で怒りを露わにした。二人のやりとりをだまって聞いていたが、時機をみて口を開いた。「私は、C君の言葉を信じています。C君には、実際に聞こえているのですし、周りの人たちが不穏な動きをしているのも実際に感じとっているんです。そのことで彼は、ほかの人には想像もできないような、追いつめられた気持ちになっているんです。この状況のなかで、今、私たちのすべきことは何か、それをしっかりと見定めることが大事です。彼の神経を、もうこれ以上疲れさせてはいけません。大学受験を棒に振るわけにもいきません。そのためには、神経を守るための薬を飲みはじめなければなりません。神経が本当に切れてしまってからでは遅いのです。今が大事なのです」結果的に母親とC君の合意が得られ、薬の副作用や今後の見通しについての話し合いの後、精神科のクリニックに通院することになった。