つきあいが長く深い分、求めるものもだんだんと大きくなる。衿の形、開き具合、袖と肩のバランス、さらにはジャケットの長さとウェストのしぼり方。パンツの太さ、長さ。スカートの丈、形。毎週、スタイリストの●●さんと、執念としか思えないほどに慎重に選びだす。シルエットが最優先の私は、色はだいたい二の次。まずはどんなふうに自分の体型をつくりだしてくれるか、スーツが持っているシルエットの力をあれこれ思案する。それから色へといく。もちろん素材も大切だけれど、素材はシルエットを決める要素に含まれるので、むしろ季節感を大切に選ぶ。「○○さんは完璧を求めるからねえ」●●さん、こだわり続ける私を恨めしそうに見つめ、しばしばそうつぶやく。一着ぐらい「ま、いいか」と着てみればいいものを、私は試着しながら「らしくない」ものを徹底して選り分ける。それは私が完璧主義だからではなく、日々まとうスーツにどれほど助けられているかをいやというほど知っているからだ。